以前、良い土の条件とはなにか、ということをご紹介しました。
今回は、そんな良い土の条件を持った畑を作るにはどうしたらいいのかを考えてみようと思います。
畑の土作りの手順
ポイントとなる手順は以下の通りです。
- 土を耕す
- 土壌酸度を調整する
- 堆肥をする
では、1つずつ見ていきましょう。
畑にする場所の土を耕す
まずは、どのくらいの面積の畑にするかを決めて、そしてとにかく土を耕すことです。
保水や撥水を考え、深さ的に約30cm位を目安にシャベルや鍬などを使い、土を掘り起こします。
同時に雑草や根っこ、石やゴミなどを取り除いていきましょう。
ふるいにかけて大きい土やゴミ、石を取ってもいいでしょう。
また、土の塊があればそれを砕いて、できるだけ土を細かくしていきます。
余計なものを取り除き、土を細かくすることが土作りの第一歩ということです。
畑の土壌酸度を調整する方法
続いて土壌酸度を調整します。
土壌酸度を調整するため、酸性の状態を中和方向へ傾けるにはどうしたらいいでしょうか。
理科の実験でやったことがあるかと思いますが、アルカリ性のものを混ぜることで中性に傾きます。
土壌酸度を中性に傾けるためには、以下のアルカリ性のものを撒いて酸度を調整します。
- 苦土石灰
- 消石灰
- 有機石灰
わかりやすい物だと、消石灰は、学校の校庭に引いたりする白線のあれです。
それぞれの石灰の特徴は以下のようになります。
種類 | 特徴 |
苦土石灰 | 石灰(カルシウム)と苦土(マグネシウム)を含む、天然のドロマイト原石を粉砕したもの。 空気や水に触れても変化せず、ゆっくり溶け出すため、効き目が穏やかで扱いやすい。 |
消石灰 | 水酸化カルシウム。アルカリ性が強く、速効性なので、速やかに調整する際に使用。 注意としては窒素の多い堆肥と同時に撒くとアンモニアガスが発生する。堆肥の2週間ほど前に撒くのが目安。 |
有機石灰 | 牡蠣殻や貝殻を焼いて粉砕したもの。主成分は炭酸カルシウム。効果が緩やかなので石灰を入れるタイミングを気にせず使用できる。 |
一般的な家庭菜園では苦土石灰が使われています。
また、初心者には有機石灰がおすすめです。
どれを使うかは、環境やタイミングに合わせて選択するのがいいと思います。
量の目安としては、50~100g/平方メートルを撒きます。
注意点として、消石灰は目に入ると失明の恐れもあるので、使用する際は最新の注意を払って使用するようにしましょう。
畑の土に堆肥を混ぜ込む
土壌酸度の調整に続いて、土に堆肥を混ぜ込みます。
これにより、団粒構造のある土を作り出せます。
堆肥には主に、牛糞や鶏糞などの動物性堆肥と、雑草や米ぬかなどの植物性堆肥があります。
それぞれの特徴は以下のようになっています。
種類 | 土壌改良効果 | 肥料効果 |
動物性堆肥 | 低い | 高い |
植物性堆肥 | 高い | 低い |
これも環境やタイミングに合わせてどれを使うかを選択するのがいいと思います。
量の目安としては、1.5~2kg/平方メートルを混ぜ込みます。
注意点として、窒素分を含む肥料は、消石灰や苦土石灰と合わさると化学反応を起こし、アンモニアガスが発生してしまいます。
なので、消石灰や苦土石灰を使用した土に堆肥を混ぜ込む場合は、最低でも2週間程開けるようにしましょう。
有機石灰はそのような化学反応を起こすことはないので、土作りに日数を避けないなどの場合には有機石灰を使用してください。
畑の土作りは理科の実験みたい
よい土作りの具体的な方法を見ていきました。
なかなか手間のかかる手順ですが、この手間が良い土作りになるということです。